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●グリーフケアをご存知ですか?
 
配偶者、両親、子ども、兄弟姉妹など近しい人と死別した時に、遺族は深い悲しみや怒り、後悔、不安感など、錯綜した心理状態に陥ることがあります。この状態を「悲嘆(グリーフ)」と呼び、これがストレスとなり、不眠や食欲不振といったさまざまな不調をもたらします。こうした死別に伴う悲嘆を乗り越えていく過程を「グリーフワーク」といいます。  このグリーフワークを見守り、支援するのが「グリーフケア」です。1960年代の米国で始まったとされ、英国や豪州、ドイツなどでも広く実践されています。とくに米国では「グリーフケア」が公的に援助が認められています。  日本でも十数年ほど前から医療機関や心理士などの専門家、市民グループなどが各地で活動を始めていますが、欧米諸国に比べるとまだ発展途上の段階といえるでしょう。
 
なぜ必要になっているの?

死別による悲嘆は人間として自然な感情です。グリーフワークのプロセスを経ることで、人は人間的に成長できるともいえます。そのプロセスは当然個人差がありますが、グリーフケアがうまくいかないと、長期化、慢性化して病的な状態になってしまうこともあります。  かつての日本社会では家族や地域共同体がグリーフケアを担ってきました。しかし核家族化が進んだ現代では、そうしたケアが得られにくくなっています。そこで近年は、医療や福祉の現場を支える人々や、職業として葬儀に関わる人たちがグリーフケアに積極的に関わることで、遺族が立ち直るきっかけを提供しようとしています。

○グリーフワークの経過と反応
グリーフワークでの悲嘆の反応としては、以下のようにさまざまな症状が表れます。悲嘆を乗り越えて立ち直るまでの期間は数カ月〜数年と個人差があります。
身体的症状
 
睡眠障害、呼吸障害、疲労感、食欲喪失、頭痛・嘔吐・消化不良・筋力の欠如・動悸などの身体的愁訴、消化に関する諸症状、アルコールや薬の依存 など
精神的症状
 
長期間の思慕の感情にとりつかれる、罪悪感、自責感、憂鬱、不安、怒り、敵意、孤独、無力感、絶望、非現実感、疑い深さ、幻覚 など
日常における行動や認知的反応
 
「うつ」による引きこもり、号泣、落ち着きのなさ、思考・判断速度の低下、集中力の欠如 など
 
これらの症状は不定期に混在した形で表れます。病的悲嘆に陥った場合は、専門家によるカウンセリングや薬物療法が必要になります。

○具体的になにをするの?
グリーフケアを行う際は、悲嘆の感情を抑圧せずに、それを受け止め、表出することが重要です。周りの人間は悲しまないようについ慰めたり、励ましがちですがこれは逆効果。その人に寄り添って、悲嘆の感情をあるがままに認めてあげる姿勢が基本です。
そのうえでグリーフを軽減するためには、当人が心が解放できる場や悲しみを癒すための機会をつくり、時間をかけて心の整理を行うことが有効です。
最近ではグリーフケアを行う市民グループが全国にあり、同じ体験を持つ経験者と語り合い、共有することで「心の再生作業」をはかっています。グループは自死遺族、子どもや伴侶を亡くした遺族などに分かれていて、お互いに交流しているケースもあるようです。

●参考リンク
  ■日本グリーフケア協会 http://www.grief-care.org/index.html
  ■生と死を考える会 http://www.seitosi.org/index.html
  ■グリーフケアサポートプラザ http://www12.ocn.ne.jp/~griefcsp/
 
   

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